不安は誰にでも存在しますが、それによって日常生活への影響や生きづらさを感じるようならば専門的な治療を受けることをお勧めします。
不安が顕著になる代表的な病気には恐怖症性不安障害、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、適応障害、うつ病、双極性障害、統合失調症、パーソナリティ障害などがあります。
不安でたまらない
不安でたまらない
特定の物事や状況におかれると強い不安や恐怖を感じてしまい、日常生活に影響が出てしまう病気です。電車や飛行機などの乗り物、閉鎖空間などで起こる広場恐怖症や人前で過剰に緊張して症状が出てしまう社交恐怖症などがあります。
また、特定の状況にないときも「また同じような状況になると不安や恐怖などで辛くなってしまう」などと不安、心配を感じてしまうようにもなります。不安が原因でパニック発作が出てしまうこともあります。
全般性不安障害は、漠然とした不安や心配が漫然と存在する病気です。それらは尽きることなく徐々に身体の不調などにも現れるようになり、不安が更に増すという悪循環になっていきます。自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かず、些細なことにも常に気を取られてしまうため、疲れ切ってしまい集中力も低下します。そして、症状が進むと、睡眠や毎日の生活にも障害をきたし、日常生活をこなすことが困難になってしまいます。
めまいや動悸、吐き気、発汗、窒息感、手足の震えといった症状が、発作的に起こります。そのために生活に支障が出てしまうのがパニック障害です。「死んでしまうかもしれない」という不安に襲われながら、救急車で病院に運び込まれるけれども、検査しても異常はなく、そのうちに苦しかった症状が消えていきます。
パニック障がいの治療には、薬による治療と認知行動療法を組み合わせるのが一般的です。まずは必要最小限の薬を飲んで症状を和らげてあげながら、不安に対して考え方を工夫したり、少しずつ不安を起こす状況に慣れる訓練をしていくなど状態に応じた治療が行われます。
強迫性障害は、特定の考えや行動を自分でも無意味、不合理であると分かっていながら、何度も繰り返してしまう病気です。そのためストレスが溜まってイライラしたりすることがあります。たとえば不潔に思い過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないなどの症状が出てきます。治療によって改善する可能性がある病気です。「考えずにはいられない」「行動せずにはいられない」ことで、つらい思いや不便を感じるときにはご相談ください。
治療法には、大きく分けて薬物療法と認知行動療法があり、多くの場合、両方が併用されます。